「自分だけのオリジナルZINEを作ってみたいけれど、 Illustrator(イラストレーター)やInDesign(インデザイン)のような有料ソフトは難しそうだし高額で手が出ない…… 」「WordやPowerPointだと、写真とおしゃれなフォントをセンス良く組み合わせるのが難しい……」と悩んでいませんか?
そんな方に圧倒的におすすめなのが、ブラウザやアプリから無料で手軽に使えるデザインツール 「Canva(キャンバ)」 です。Canvaを使えば、プロのグラフィックデザイナーでなくても、ドラッグ&ドロップの直感的な操作でおしゃれな表紙や美しい本文レイアウトをサクサク作成できます。
しかし、一般的なWeb画像やSNS投稿の作成とは異なり、 「紙に印刷して1冊の本(ZINE)に仕上げる」ためには、カスタムサイズの設定、塗り足し領域の確保、ノンブル(ページ番号)の配置、そして印刷所が受け入れ可能なPDF書き出し設定など、いくつかの印刷用の必須ルール を押さえておく必要があります。
この記事では、 初めてCanvaでZINEを作る方に向けて、カスタムサイズ設定からマージン・塗り足しの表示、表紙・本文の組版テクニック、おすすめ日本語フォントの組み合わせ、そしてネット印刷所に入稿するための高解像度PDF書き出し設定まで、全手順をステップバイステップ でわかりやすく解説します。この記事を手元に置きながら、世界に1冊だけの素敵なZINEを完成させましょう!
【この記事のポイント(Canva×ZINE作りの要点)】
- ZINE制作にCanvaが最適な理由(完全無料、直感操作、商用フリー素材、マルチデバイス対応)
- 失敗しない基本設定(カスタムサイズ「mm指定」、塗り足し領域・マージンの表示)
- 落丁を防ぐノンブル(ページ番号)を寸分違わず綺麗に揃えて配置する裏技テクニック
- 表紙・裏表紙の「引き算デザイン」と、読みやすい本文組版の黄金比(1行文字数・行間)
- 世界観をグッと引き上げるCanvaおすすめ日本語フォント組み合わせ3選(明朝・ゴシック)
- 印刷不備をゼロにする「PDF(印刷)」書き出し設定(トリムマーク・フラット化・CMYK対策)
なぜZINE作りにCanva(キャンバ)がおすすめなのか?
ZINE(個人やグループが自由なテーマで自費制作する小冊子)は、プロの出版物のような厳格なルールに縛られない自由な表現が魅力です。かつてはIllustratorやInDesignなどの高価なプロ用DTPソフトが必要でしたが、現在では 「無料のCanvaさえあれば、誰でも商業誌レベルのZINEが作れる」 時代になっています。
ZINE制作の現場でCanvaが多くのクリエイターや初心者に選ばれている主な理由を見ていきましょう。
無料で使える・直感的操作・おしゃれなフォントと素材が充実
Canva最大の魅力は、 「専門的なデザイン知識がなくても、直感的な操作ですぐに形にできること」 です。
- 完全無料プランでも冊子制作が可能: 無料アカウントのままでも、カスタムサイズでのページ作成、複数ページの追加、高解像度PDF書き出しなどの必須機能がすべて制限なく利用できます。
- ドラッグ&ドロップの直感操作: 写真の配置やトリミング、テキストボックスの移動、図形やラインの追加がマウス操作(またはタッチ操作)だけで完結します。複雑なベジェ曲線やレイヤー構造を覚える必要はありません。
- 商用利用可能な美しい日本語フォントが充実: モリサワ系の高品質フォントやGoogle Fontsなど、見出し用から長文本文用まで数百種類以上の日本語フォントが標準で用意されています。
- 写真をはめ込むだけの「フレーム機能」: 四角形だけでなく、円形やポラロイド風、ちぎり絵風の「フレーム」素材に写真をドラッグ&ドロップするだけで、おしゃれな切り抜きデザインが瞬時に完成します。
「文字の配置が野暮ったくなってしまう」「写真と文章のバランスが取れない」という初心者でも、あらかじめ用意された豊富なテンプレートや洗練された素材をベースにすることで、 短時間で見栄えの良い本格的な誌面 を組み立てられます。
パソコンでもスマホ・タブレットでも編集可能
Canvaはクラウド型のデザインツールであるため、 「デザインデータがすべてクラウド上に自動保存され、複数端末からシームレスに編集できる」 という強みがあります。
例えば、以下のような柔軟なワークフローで制作を進めることが可能です。
- 外出先(カフェや通勤電車): スマホやiPadのCanvaアプリを使って、撮影した写真をアップロードし、テキストの下書きや大まかなレイアウトを組む。
- 自宅(PC): 大画面モニターを使って、ミリ単位の余白調整、フォントサイズの統一、誤字脱字の校正、ノンブル配置などの精密作業を行う。
- 複数人での共同制作(合同ZINE): 「共有リンク」を発行すれば、遠方に住む友人やサークル仲間と一緒に、リアルタイムで同じZINEデータを共同編集できます。
忙しい社会人や学生でも、隙間時間を活用して少しずつページを書き進められるため、 「途中で挫折せずに1冊を完成させやすい」 点がCanvaの大きなメリットです。
CanvaでZINEを作る基本設定(サイズ・余白・ノンブル)
CanvaでZINE作りをスタートする際、 最も重要で絶対に間違えてはならないのが「初期設定」 です。最初にサイズや余白の設定を誤ってしまうと、全ページのレイアウトを後からすべて手作業で修正することになり、多大な労力が発生してしまいます。
以下の3つのステップに従って、印刷トラブルを防ぐ確実な基本設定を行いましょう。
カスタムサイズで「仕上がりサイズ」を設定する(A5・B6など)
Canvaのホーム画面を開いたら、画面右上の 「デザインを作成」ボタンをクリックし、一覧下部の「カスタムサイズ」 を選択します。
ここで最も注意すべきなのが 「単位の変更」 です。デフォルトでは単位が「px(ピクセル)」になっていますが、必ず 「mm(ミリメートル)」に変更 してください。Web用のピクセル単位で作成してしまうと、印刷時に解像度が足りず画像や文字が粗くぼやけてしまいます。
| 判型(規格サイズ) | 幅 × 高さ(mm指定) | 特徴・おすすめのZINEジャンル |
|---|---|---|
| A5サイズ(王道・一番人気) | 148 × 210 mm | ZINE制作で最も標準的。写真・エッセイ・イラストなどあらゆるテーマに最適。印刷費も最も安価。 |
| B6サイズ(単行本サイズ) | 128 × 182 mm | 市販の文芸単行本に近いサイズ感。手になじみやすく、小説や詩集、日記系ZINEにぴったり。 |
| 文庫本・A6サイズ | 105 × 148 mm | 手のひらサイズの可愛らしいコンパクト本。文字主体の短編小説やミニ写真集におすすめ。 |
| B5サイズ(雑誌・イラスト集) | 182 × 257 mm | 大判で見応えのあるサイズ。ビジュアル重視のイラスト集、コミック、カルチャー誌向け。 |
| 正方形(スクエア・変形) | 148 × 148 mm など | インスタグラムのような正方形。個性的でおしゃれなアートブックやカフェ写真集に大人気。 |
判型の選び方や製本仕様についての詳細は、こちらの記事 【保存版】ZINEのサイズ・ページ数・綴じ方まとめ|A5・B6・変形サイズと製本仕様の選び方 でさらに詳しく解説しています。
なお、Canvaでは 「1ページ=1画面(単ページ)」 として作成するのが基本です。見開き(2ページ分を1画面)で作成するのではなく、単ページで「ページを追加」しながら、表紙(1p目)→本文(2p目、3p目…)→裏表紙と順番に並べていきます。ネット印刷所の多くは単ページのPDFデータを推奨しているため、この方式が最も安全です。
また、中綴じ製本(針金留め)で本を作る場合、 「総ページ数は必ず4の倍数(8p、16p、24p、32pなど)」 にする必要があります。紙を二つ折りにして製本する構造上、4の倍数以外のページ数では製本できませんので、全体のページ構成を事前に決めておきましょう。
「印刷用の塗り足し領域」と「マージン」を表示する
カスタムサイズでキャンバスを開いたら、デザイン作業を始める前に、画面上部メニューの 「ファイル」→「設定」 をクリックし、以下の2つに必ずチェックを入れましょう。
- 「マージンを表示」にチェック: キャンバスの内側に点線の枠(余白の目安)が表示されます。
- 「印刷用の塗り足し領域を表示」にチェック: キャンバスの外側に3mm分の余白領域(塗り足しガイド)が表示されます。
印刷の世界では、大きな紙に印刷した後にまとめて機械で断裁(カット)します。その際、どうしても コンマ数ミリ〜1mm前後の断裁ズレ が生じます。このズレによる事故を防ぐために、「塗り足し」と「マージン」の理解が欠かせません。
| ガイド線の種類 | 位置と役割 | デザイン時の厳守ルール |
|---|---|---|
| 印刷用の塗り足し線(外側3mm) | 仕上がり線の外側3mmに広がるエリア | ページの端まで色や写真を敷き詰める場合(フチなし印刷)、 必ずこの塗り足し線の外端まで写真や背景色をしっかり伸ばす。 伸ばさないと断裁ズレで白い紙の端が露出してしまう。 |
| 仕上がり線(キャンバスの境界) | 本が実際に切り揃えられる目標サイズ | このライン上で刃物が入ってカットされる。 |
| マージン(内側余白の点線) | 仕上がり線から内側約5〜10mmのエリア | 文字、ロゴ、ノンブル、切れては困る人物の顔などは、 必ずこのマージン線の内側に収める。 仕上がり線ギリギリに文字を置くと、断裁ズレで文字が切り落とされる危険がある。 |
さらに見落としがちなのが、本の中央(綴じる側)の余白である 「ノド(綴じ代)」 です。本を開いたとき、中央部分は根元まで完全に開ききらないため、内側の文字が隠れて読みづらくなりがちです。特にページ数の多いZINEや無線綴じにする場合は、 ノド側の余白を外側よりも5mm〜10mm広めに確保 しておくと、市販の本のようにストレスなく読める美しい仕上がりになります。
入稿データの基礎知識(トンボ・解像度・塗り足しの詳細)については、こちらの記事 入稿データ作成の基礎知識|ノンブル・トンボ・塗り足し・解像度をわかりやすく解説 をぜひ併読してください。
ページ番号(ノンブル)を綺麗に揃えて配置するコツ
ノンブル(ページ番号)は、読者が本を読み進めるための道標であり、印刷所が乱丁・落丁を防ぐための重要な情報です。しかし、Canvaには自動で連続したノンブルを振る専門機能がないため、 手動で配置する際の「位置揃えテクニック」 を知っておく必要があります。
【Canvaでノンブルを寸分違わず配置する4つの手順】
- ルーラーとガイドを表示する: 上部メニュー「ファイル」→「設定」→「定規とガイドを表示」にチェック。目盛り部分からドラッグして、下端から10mmの位置に横ガイドラインを1本引く。
- 最初のノンブルを配置: テキストボックスで「- 03 -」または「3」と入力。フォントサイズは小さめ(8〜9pt前後)、色は主張しすぎないグレーやダークチャコールに設定し、ガイドラインに合わせて下部中央(または外側端から10mm内側)に配置。
- ページを複製して配置を固定: 2ページ目以降を作成する際は、真っ白なページを追加するのではなく、右上の 「ページを複製」アイコンをクリック してページを複製する。
- 数字だけを打ち替える: 複製されたページのノンブルの数字(3→4、4→5…)だけを打ち替えていく。この手順を踏むことで、全ページでノンブルの座標・フォント・サイズが1ミリの狂いもなく完全に統一されます。
なお、 表紙(表1)・裏表紙(表4)・表紙の裏(表2・表3)にはノンブルを印刷しないのが本の慣例 です。本文が始まるページ(目次や第1章のページ)から番号を振るようにしましょう。
実践!Canvaでのページレイアウト手順
基本設定が完了したら、いよいよ実際のコンテンツをレイアウトしていきます。プロのような洗練されたZINEに仕上げるための、表紙・本文組版・フォント選びの実践テクニックを詳しく見ていきましょう。
表紙・裏表紙デザインのコツ(タイトルと余白のバランス)
表紙は、ZINEフェスや書店の棚で 「読者が最初に目を留め、手に取るかどうかを0.5秒で決める」最も重要な顔 です。
初心者が陥りがちな失敗は、「伝えたいことをすべて詰め込んで文字だらけにしてしまう」ことです。洗練されたおしゃれなZINEの表紙を作るコツは、 「大胆な余白(引き算の美学)」と「明確なジャンプ率(文字のメリハリ)」 にあります。
| デザイン要素 | 配置とバランスのコツ | Canvaでの操作ポイント |
|---|---|---|
| タイトル(誌名) | 表紙で最も大きく、最も強いインパクトを持たせる。文字サイズを大胆に大きく(ジャンプ率を高める)。 | フォントの間隔(文字間)を少し広げると(Canvaの「文字間隔スライダー」で+50〜+150)、洗練されたモダンな印象になる。 |
| サブタイトル・著者名 | タイトルに寄り添うように、サイズをタイトルの1/3〜1/4程度に抑えて小さく配置。 | タイトルの真下、または画面最下部に控えめに配置すると、全体のバランスが引き締まる。 |
| メインビジュアル(写真/イラスト) | ①全面写真の上に文字を載せるか、②白い余白の中央に額縁のように小さく配置するか、どちらかに振り切る。 | 写真の上に文字を置く場合は、写真の上に薄い黒や白の四角形(透明度20〜30%)を重ねると文字が格段に読みやすくなる。 |
| 裏表紙(表4) | 表紙の世界観を引き継ぎつつ、シンプルにまとめる。 | 中央に小さなワンポイントのイラストやロゴ、最下部に定価表示(例: ¥800)を配置するのが定番。 |
また、裏表紙の内側(表3)または最終ページには、必ず 「奥付(誌名、発行年月日、著者名、連絡先、印刷所名、禁無断転載)」 を記載しましょう。自主出版物であっても、奥付があることで1冊の本としての信頼性と完成度が格段に高まります。
本文ページの組版(写真・テキストの配置ルール)
本文ページで目指すべきは、 「読者が途中で疲れず、最後まで心地よく読み進められること」 です。Canvaで文章と写真を組む際は、以下の3大組版ルールを意識しましょう。
| 組版項目 | 初心者におすすめの推奨設定値 | 理由と効果 |
|---|---|---|
| 本文の文字サイズ | 9pt 〜 10.5pt | PC画面では小さく見えても、紙に印刷すると十分読める。12pt以上にすると子供っぽく野暮ったい印象になる。 |
| 見出しの文字サイズ | 16pt 〜 22pt (本文の約1.6〜2倍) | 見出しと本文に明確なサイズ差をつけることで、拾い読みしやすくなる。 |
| 行間(行の高さ) | 1.6 〜 1.8 (Canvaスライダーで1.6〜1.8) | 行間が詰まっていると行を読み飛ばしやすくなる。ゆったりとした行間が快適な読書感を生む。 |
| 1行あたりの文字数 | 28字 〜 38文字程度 | 1行が長すぎると視線の移動が疲れる。A5サイズなら横幅いっぱいに文字を流さず、左右にしっかり余白を取るか2段組にする。 |
Canvaでよく使われる本文の代表的なレイアウトパターンには、以下の3つがあります。
- パターン①【写真メイン型】: ページ上部(または見開き片面)に大きく写真を配置し、下部に3〜5行の短いキャプションやポエティックな文章を添える(写真集・旅日記向け)。
- パターン②【エッセイ・コラム型】: 上部に章タイトルと小見出しを置き、中央に整然と28文字前後の本文テキストを流し込む。周囲に15mm以上の広い余白をキープすることで文芸誌のような品格が出ます。
- パターン③【雑誌風グリッド型】: 複数の写真を等間隔でグリッド配置し、それぞれの横に小さな番号と解説テキストを添える(おすすめカフェ紹介、持ち物図鑑、ショップガイド向け)。
Canvaの 「位置合わせ(整列)」機能 を使い、左揃えや中央揃えをピタッと揃えること、そして複数の要素を 「グループ化(Ctrl+G / Cmd+G)」 して塊として管理することが、美しい誌面作りの秘訣です。
おすすめの日本語フォント組み合わせ(明朝・ゴシック)
フォントは、ZINEの「声のトーン」や「世界観」を決定づける極めて重要なデザイン要素です。1冊のZINEの中で何種類もの異なるフォントを使ってしまうと、統一感が失われ散らかった印象になります。 「基本は1冊につき2種類(見出し用+本文用)まで」 に絞り込むのが鉄則です。
Canvaで無料利用できる、ZINE作りに相性抜群の日本語フォント組み合わせを3パターン紹介します。
| テイスト・世界観 | 見出し用フォント | 本文用フォント | おすすめのZINEジャンル |
|---|---|---|---|
| ① 王道・文学・エッセイ系 | Noto Serif JP(Bold) または しっぽり明朝 | しっぽり明朝(Regular) または クレー | 個人的なエッセイ、小説、詩集、短歌集。繊細で情緒的、活版印刷のような落ち着いた高級感を演出できます。 |
| ② モダン・カルチャー・アート系 | Noto Sans JP(Black/Bold) または コーポレート・ロゴ | Noto Sans JP(Light/Regular) または Zen Kaku Gothic | ストリートスナップ写真集、建築散歩、現代アート批評、音楽ZINE。現代的でスタイリッシュ、視認性が抜群です。 |
| ③ レトロ・喫茶・ほっこり日常系 | 築地体 または はなぞめ | キウイ丸 または 游ゴシック | 純喫茶巡り記録、手料理レシピ、散歩日記、イラスト絵本。手作り感や温かみ、どこかノスタルジックな味わいが出ます。 |
フォントを選ぶ際は、画面上だけで判断せず、 試し刷り(コンビニプリント)して紙の上で文字の太さや可読性を確認する ことが成功への確実なステップです。
ネット印刷に入稿するためのPDF書き出し設定
すべてのページのレイアウトが完了したら、いよいよネット印刷所(グラフィック、ちょ古っ都製本工房、レトロ印刷JAMなど)に入稿するためのデータ書き出し作業です。
CanvaはWeb用途がメインのツールであるため、 ダウンロード時の設定項目を正しく選択しないと、画質の低下や文字化け、断裁ズレによる印刷不備(データ再入稿) に繋がってしまいます。以下の設定を必ず確認しながら書き出しを行ってください。
ダウンロード形式は「PDF(印刷)」を選択する
画面右上の 「共有」ボタンをクリックし、「ダウンロード」 を選択します。
「ファイルの種類」のドロップダウンメニューを開くと、「PNG」「JPG」「PDF(標準)」「PDF(印刷)」などの選択肢が表示されます。ここで 必ず「PDF(印刷)」を選択 してください。
- 「PDF(標準)」を選んではいけない理由: メール添付やWeb閲覧用の軽量化フォーマット(約96〜150dpi)であるため、印刷すると写真や文字の輪郭がジャギー(ギザギザ)になり粗く刷り上がってしまいます。
- 「PDF(印刷)」の特徴: 商業印刷に必要な 高解像度(300dpi以上) で書き出されるため、細かな文字や写真の階調がシャープかつ鮮明に再現されます。
「トリムマークと塗り足し」「PDFのフラット化」にチェック
「PDF(印刷)」を選択すると、その下に追加のオプション設定が表示されます。以下の2項目に注目してください。
- 「トリムマークと塗り足し」のチェック:
これにチェックを入れると、仕上がりサイズの外側に断裁位置を示す「トンボ(トリムマーク)」と「塗り足し領域(3mm)」が付加された状態でPDFが書き出されます。一般的な印刷通販(グラフィック等)ではトンボ付きデータを推奨している場合が多いため、印刷所の入稿ガイドを確認の上、指示に合わせて設定しましょう(※印刷所によっては「トンボなし・仕上がりサイズ+塗り足しのみ」を指定される場合もあります)。 - 「PDFのフラット化」にチェックを入れる(超重要!):
このチェックは 「印刷トラブルを防ぐための最重要項目」 です。フラット化を行わないと、Canva上で重ねた半透明効果や複雑な装飾、フォント情報がレイヤー構造のまま残り、印刷所の出力機で処理する際に 「文字化け」「透明部分が真っ黒に抜ける」「重なり順が逆転する」といった重大なバグ が発生することがあります。フラット化にチェックを入れることで、全レイヤーが1枚の高解像度画像として完全に統合され、トラブルを未然に防止できます。
カラープロファイル(RGB / CMYK)の注意点
最後に確認すべきなのが 「カラープロファイル」 の設定です。印刷データを扱う上で避けて通れないのが、「画面の光(RGB)」と「紙のインク(CMYK)」の色の違いです。
| プラン | 選択可能なプロファイル | 特徴と注意点 |
|---|---|---|
| Canva 無料プラン | RGB(デジタル用に最適) のみ | 無料プランではRGB形式でのみ書き出し可能。ただし、 多くのネット印刷所(グラフィック、ちょ古っ都製本工房など)は入稿システム側でRGB→CMYKの高精度自動変換に対応 しているため、無料プランのRGBデータでも問題なく綺麗に印刷できます。 ※ただし、蛍光色のような極端に鮮やかな青や緑、ショッキングピンクは、インク変換時に少しくすんで落ち着いた色合いになる点だけ理解しておきましょう。 |
| Canva Pro(有料プラン) | CMYK(プロフェッショナルな印刷に最適) が選択可能 | 最初から印刷インクの再現領域(CMYK)に合わせたカラープロファイルで書き出せるため、 「画面で見ている色」と「実際の印刷仕上がり」の色ブレを最小限に抑制 できます。色味に徹底的にこだわりたい写真集やアートZINEを作る場合は、Pro版のCMYK書き出しが非常に有利です。 |
Canva Proには 「30日間の無料トライアル」 が用意されているため、「入稿データの最終書き出しを行うタイミングだけPro版を試してみる」という賢い活用法もおすすめです。
少部数・1部から発注できるおすすめのネット印刷会社や各社の特徴については、こちらの比較記事 【少部数・1部からOK】ZINE印刷におすすめのネット印刷所・印刷サービス比較7選 をぜひチェックして、自分に合った印刷所を選んでみてください。
まとめ:Canvaを使えば誰でも本格的なデザインZINEが作れる!
かつては「専門的なグラフィックソフトや高度なDTP知識がないと作れない」と思われていたZINEですが、 無料で直感的に使えるCanvaの登場によって、誰でも思い立ったその日に自分だけの本作りを始められる時代 になりました。
今回解説した以下の 5つの基本ステップ さえ守れば、初めての方でも印刷事故を起こすことなく、美しい1冊を確実に完成させることができます。
- カスタムサイズ設定: 単位を「mm」にしてA5等の仕上がりサイズを指定(ページ数は必ず4の倍数)。
- 余白とガイド: 「印刷用の塗り足し領域(3mm)」と「マージン」を表示し、フチなし写真は外端まで伸ばす。
- ノンブルの統一: 定規ガイドと「ページの複製」を活用して、全ページで寸分違わず配置を揃える。
- レイアウトとフォント: 余白を活かした引き算のデザインと、2〜3種類に絞った読みやすい日本語フォントの組み合わせ。
- 入稿用PDF書き出し: 「PDF(印刷)」を選択し、「トリムマークと塗り足し」「PDFのフラット化」に必ずチェック。
ZINEの最も素晴らしいところは、 「あなたの好きなこと、伝えたい想い、偏愛や視点を100%自由に詰め込めること」 です。難しく考えすぎず、まずは手元にある写真や文章をCanvaに並べて、世界にひとつだけのオリジナルZINE作りを存分に楽しんでみてください!
【あわせて読みたい!ZINE作りの実践完全ガイド】
- 企画から製本・販売までの全ステップを把握したいなら:
【図解】ゼロから始めるZINEの作り方完全ステップ|企画から構成・入稿・製本まで - ノンブル・トンボ・塗り足しの基礎知識を深めたいなら:
入稿データ作成の基礎知識|ノンブル・トンボ・塗り足し・解像度をわかりやすく解説 - 1部から安く発注できる印刷所を比較したいなら:
【少部数・1部からOK】ZINE印刷におすすめのネット印刷所・印刷サービス比較7選 - サイズやページ数・綴じ方の仕様を決めたいなら:
【保存版】ZINEのサイズ・ページ数・綴じ方まとめ|A5・B6・変形サイズと製本仕様の選び方 - 制作にかかる費用相場や予算をシミュレーションするなら:
ZINE制作にかかる費用・相場はいくら?10部〜100部の原価計算と予算シミュレーション - ZINEのテーマやアイデア出しに悩んだら:
【初心者必見】ZINEは何を書けばいい?テーマの決め方とアイデア事例30選 - コンビニコピー機とホッチキスで手作りしたいなら:
コンビニコピー機とホッチキスで作る「豆ZINE・折本」の作り方|1枚の紙から作る小冊子 - 街の本屋さんに委託販売をお願いしたいなら:
ZINEを本屋さんに置いてもらう方法|独立系書店への委託販売・持ち込みのマナーと条件 - ネットショップで通販を始めたいなら:
BASE・BOOTH・STORESでZINEを通販する方法|ネットショップ開設と発送・梱包のコツ

コメント