コンビニコピー機とホッチキスで作る「豆ZINE・折本」の作り方|1枚の紙から作る小冊子

「自分だけのZINEを作ってみたいけれど、印刷所に頼むと数千円〜数万円のお金がかかるし、何十部も刷って余ったらどうしよう……」

「デザインソフトも持っていないし、まずは身の回りにある道具で、今日中に1部だけでも手作りしてみたい!」

そんな方に心からおすすめしたいのが、A4またはA3のコピー用紙たった1枚とハサミがあれば作れる 「8ページの豆ZINE(折本・おりほん)」 や、コンビニのマルチコピー機と家庭用ホッチキスを活用した 「セルフ中綴じ小冊子」 です。

豆ZINEや折本(おりほん)の最大の魅力は、なんといってもその圧倒的な手軽さとコストの安さです。コンビニの白黒コピーなら 1部わずか10円〜20円 、フルカラーでも 1部50円〜100円程度 のお小遣い価格で、手のひらサイズの可愛らしいオリジナル冊子が即日完成します。特別な製本機や高価な道具は一切必要ありません。

この記事では、 ハサミを1回入れるだけでホッチキス不要で作れる「8ページ折本」の詳しい作り方手順 をはじめ、初心者が最もつまずきやすい 「展開時の面の向き(上下逆さまになるページの面付け早見表)」 、コンビニコピー機(セブン・ローソン・ファミマ)の 「小冊子プリント機能」を使った本格的な中綴じZINEの作り方 、そして 180度開くホッチキスの裏ワザやおしゃれなアレンジテクニック まで、画像や図解テキストを交えて徹底的にわかりやすく解説します!

【この記事のポイント(豆ZINE・折本作りの要点)】

  • ホッチキス・糊が一切不要! 紙1枚を8等分に折って中央にハサミを1回入れるだけで8ページの豆本が完成
  • 1部10円〜数十円! 印刷所を使わず自宅プリンターやコンビニコピー機で驚くほど安く作れる
  • 失敗ゼロの面付けマップ: 上段が上下逆さまになる折本特有のレイアウトルールを完全図解
  • コンビニの「小冊子プリント機能」: 面付け不要で自動両面プリントができる便利なコピー機活用法
  • 文具ホッチキスの180度開き裏ワザ: 専用の中綴じ機がなくても自宅で綺麗な冊子製本ができるテクニック
  • 豆ZINEアレンジ術: クラフト紙・トレペ帯・ナンバリングで一気にプロっぽいアートブックに昇華

豆ZINE・折本(おりほん)とは?魅力とメリット

ZINE(ジン)のカルチャーにおいて、世界中のクリエイターや個人作家から熱狂的な支持を集めているのが 「豆ZINE(ミニZINE)」 「折本(おりほん)」 です。「本を作る=印刷所にまとまった部数を発注する」という固定観念を軽やかに飛び越え、日常の延長線上で自由自在に表現できるユニークな魅力を持っています。

紙1枚とハサミがあれば完成!ホッチキス不要で作れる「8ページ折本」

「折本(おりほん)」とは、もともと日本の伝統的な製本様式(経本や巻子本のように紙を蛇腹状に折りたたむ形式)に由来しますが、現代のZINEカルチャーや同人文化においては、 「1枚の紙を折りたたみ、中央に切れ込みを入れて作る8ページの小冊子」 のことを指すのが一般的です。

この8ページ折本の最大の特徴は、 「針(ホッチキス)も糊(のり)も一切使わない」 という点にあります。必要な道具は、紙1枚と一般的なハサミ(またはカッター)だけ。紙の折り目と立体的な構造のテンションだけで1冊の本としてしっかりと自立し、ペラペラとめくって読むことができます。

  • 金属や接着剤を使わない安全設計: 針を使わないため、小さな子ども向けの絵本作りや、学校・図書館のワークショップでも怪我の心配がなく安心して楽しめます。
  • 広げれば「1枚のポスター(ペーパー)」になる2WAY仕様: 8ページの冊子として読めるだけでなく、折り目を広げると裏面や全体が1枚の大きなマップやイラストポスターとして機能する仕掛けZINEも作れます。
  • 配布や持ち運びが極めてスマート: かさばらず手のひらに収まるため、イベントでの無料配布(フリーペーパー)や、名刺代わりの自己紹介ZINE、ショップカード兼ミニカタログとしても大活躍します。

ZINEの基本的な概念やカルチャーとしての背景については、こちらの記事 【完全解説】ZINE(ジン)とは?同人誌やリトルプレスとの違い・魅力・歴史をわかりやすく解説 でも詳しく紹介しています。

1部数十円で作れる圧倒的な手軽さと可愛さ

折本や豆ZINEが愛されるもう一つの決定的な理由は、 「圧倒的なコストパフォーマンス」 です。一般的なネット印刷所で中綴じ冊子を発注する場合、少部数オンデマンド印刷でも数千円〜1万円程度の最低発注コストがかかりますが、豆ZINEなら数百円の小銭があればすぐに発行できます。

印刷・制作方法仕上がりサイズ1部あたりの原価目安最低制作部数特徴とメリット
A4コピー用紙×折本(白黒) A7豆本(約74×105mm) 約10円〜20円 1部〜最安・最速。コンビニや自宅のコピー機ですぐに印刷可能。手書き原稿の味も活きる。
A4コピー用紙×折本(カラー) A7豆本(約74×105mm) 約50円〜60円 1部〜写真やイラストも鮮やかに発色。ワンコインで数十部のミニ作品集が作れる。
A3コピー用紙×折本(白黒) A6文庫本サイズ(約105×148mm) 約20円 1部〜A3用紙を使うと、しっかり読める文庫本サイズ(A6)の8ページ冊子になる。
A4用紙×中綴じコピー(8〜16p) A5冊子(約148×210mm) 約40円〜160円 1部〜コンビニの「小冊子プリント」とホッチキス裏ワザで作る本格的なA5薄型冊子。
ネット印刷通販(オンデマンド) A5 / B6 / 変形など約150円〜400円10部〜30部〜紙質や表紙加工(PP加工等)を選べるが、最低総額3,000円〜1万円程度必要。
※ コンビニコピー機の料金は一般的なセブン・ローソン・ファミマ等の料金基準(白黒1枚10円〜20円、カラー1枚50円〜60円)に基づきます。

制作費相場や原価シミュレーションの比較についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事 ZINE制作にかかる費用・相場はいくら?10部〜100部の原価計算と予算シミュレーション も参考にしてみてください。

また、A4用紙で作った豆本は、名刺入れや胸ポケットにすっぽり入る A7サイズ(約74mm × 105mm) に仕上がります。この「手のひらにちょこんと乗るサイズ感」は、見ているだけでも愛らしく、読者に「可愛い!」「持って帰りたい!」と直感的に思わせる強いコレクション性を持っています。

【ハサミ1回で完成】8ページ折本の作り方手順(図解解説)

それでは、実際にA4用紙1枚から8ページの豆ZINEを作る全ステップを解説します。準備するものは以下の3点だけです。

  • A4(またはA3)の紙1枚: 自宅プリンターで印刷した用紙、またはコンビニでコピーした原稿用紙。
  • ハサミ(またはカッターナイフ): 紙の中央に1回切れ込みを入れるために使用します。
  • 定規(またはヘラ): 折り目をピシッと綺麗につける際にあると便利です。

STEP 1:A4またはA3用紙を8等分に折る

まずは、印刷された面(または白紙)を手元に置き、正確に 8つの等しいマス目(縦4マス×横2段) ができるように折り筋をつけていきます。

  1. 長辺を半分に折る: 用紙を横長に置き、手前から奥に向かって長辺をきっちり半分に折ります。しっかり爪の背や定規で折り目をつけたら、一度開きます(中央に横1本の折り筋ができます)。
  2. 短辺を半分に折る: 用紙を半分に折った状態、あるいは広げた状態で、今度は左右の短辺を合わせて縦半分に折ります。
  3. さらに半分に折る(4等分): その状態のまま、さらにもう一度同じ方向に半分に折ります。
  4. 用紙を完全に広げる: 紙をすべて広げると、縦に3本、横に1本の折り筋が交差し、 「横4列 × 縦2段 = 計8つの長方形マス」 が綺麗に出来上がっていることを確認してください。

【きれいに折るコツ】
折本の仕上がりの美しさは、この最初の折り目の正確さで8割決まります。角と角を寸分の狂いもなく合わせ、定規の平らな面を滑らせて「折り目をシャープにプレス」しておくと、最後の折りたたみが驚くほどスムーズになります。

STEP 2:中央に切り込みを1箇所入れる

次に、ハサミを使って紙の中央部分に たった1箇所だけ切れ込み を入れます。ここが折本作りで最もワクワクする瞬間であり、同時に唯一注意すべきポイントです。

  1. 紙を短辺で半分に折る: STEP 1でつけた縦半分の折り目で、用紙を2つ折りにします(幅が半分の長方形になります)。このとき、 「折り目の山」が手前(または左側) に来るように置きます。
  2. 中央の線に沿って切る: 「折り目の山」の中心から、中央の折り筋に向かってハサミを入れます。切る長さは 「中央の1マス分(広げたときの2マス分)」だけ です。
  3. 端まで切り落とさないよう注意: 用紙の端(外枠)まで切り落としてしまうと、紙が真っ二つに分断されて失敗してしまいます。必ず「中央の交差点」でハサミをピタッと止めましょう。

ハサミを入れたあと紙を完全に広げると、 「紙の中央に、横2マス分の長さの横スリット(穴)が1本開いた状態」 になっていれば大成功です!

STEP 3:押し広げて折りたたむだけで8ページの豆本が完成!

切れ込みを入れたら、いよいよ立体的な本へと組み立てていきます。

  1. 長辺の折り目で山折りにする: スリットが開いた紙を、最初の横半分の線に沿って「長辺の山折り」にします(切り込みが上部の稜線に来る状態)。
  2. 左右の両端を持って中央に押し込む: 用紙の左右両端を手で持ち、中央に向かってグッと押し縮めます。
  3. 中央のスリットが十字(+字)に開く: 両端を押し込むと、中央の切れ込み部分がパカッと開き、上から見ると「ひし形」から「十字型(クロス型)」の4枚の羽根へと変形します。
  4. 左右にパタンと倒して整える: 十字に開いた羽根を、本を開く向きに合わせて左右にパタンと重ね合わせ、背表紙を指でしっかり押さえます。

これで、糊もホッチキスも使っていないのに、表紙から裏表紙までめくれる 「手のひらサイズの8ページ豆ZINE」 があっという間に完成しました!

各ページの配置(面付け)早見表(上下逆さに配置する注意点)

折本作りで初心者が最も失敗しやすい最大の落とし穴が、 「広げた紙の上で、どのマスに何ページを配置すればいいのか?」「なぜか特定のページが逆さまになってしまう!」 という 面付け(めんつけ)の混乱 です。

折本は紙を上下に折りたたむ構造上、 「上段の4マス」と「下段の4マス」でページの天地(上下の向き)が180度逆 になります。これを理解せずにパソコンや手書きで上から順番に文字を書いてしまうと、本にしたときに半分以上のページが逆さまに読めなくなってしまいます。

一般的な 「左開き(横書き・イラスト・写真向け)」 「右開き(縦書き・小説・漫画向け)」 の正確な面付けマップを以下に示します。

【左開き折本(横書き・洋書スタイル)の面付け展開図】

【用紙を横長に置いた展開状態(印刷面)】
┌───────────┬───────────┬───────────┬───────────┐
│   [ P 5 ]   │   [ P 4 ]   │   [ P 3 ]   │   [ P 6 ]   │  ← 上段:【上下逆さま(天地逆)】に配置!
│  (逆さま)   │  (逆さま)   │  (逆さま)   │  (逆さま)   │
├───── ─────┼─────[ 切 ─── 割 ─── り ]─────┼───── ─────┤
│   [ P 8 ]   │   [ P 1 ]   │   [ P 2 ]   │   [ P 7 ]   │  ← 下段:【正常な向き(正位置)】に配置!
│  (裏表紙)   │  ( 表 紙 )  │  (本文 2p)  │  (本文 7p)  │
└───────────┴───────────┴───────────┴───────────┘
※ 中央の「[ 切 ─ り ]」部分のみハサミでカットします。

【右開き折本(縦書き・和書・コミックスタイル)の面付け展開図】

【用紙を横長に置いた展開状態(印刷面)】
┌───────────┬───────────┬───────────┬───────────┐
│   [ P 6 ]   │   [ P 3 ]   │   [ P 4 ]   │   [ P 5 ]   │  ← 上段:【上下逆さま(天地逆)】に配置!
│  (逆さま)   │  (逆さま)   │  (逆さま)   │  (逆さま)   │
├───── ─────┼─────[ 切 ─── 割 ─── り ]─────┼───── ─────┤
│   [ P 7 ]   │   [ P 2 ]   │   [ P 1 ]   │   [ P 8 ]   │  ← 下段:【正常な向き(正位置)】に配置!
│  (本文 7p)  │  (本文 2p)  │  ( 表 紙 )  │  (裏表紙)   │
└───────────┴───────────┴───────────┴───────────┘
ページ番号役割・内容の目安配置する段文字や画像の向き
P1(表紙) タイトル、著者名、メインビジュアル下段・左から2番目(左開き時) 正位置(上向き)
P2 はじめに、目次、写真・エッセイ開始下段・左から3番目(左開き時) 正位置(上向き)
P3 P2の対向ページ(見開き左側)上段・左から3番目(左開き時) 【180度回転・上下逆さま】
P4 本文中盤、見開きメインコンテンツ上段・左から2番目(左開き時) 【180度回転・上下逆さま】
P5 P4の対向ページ(見開き左側)上段・一番左(左開き時) 【180度回転・上下逆さま】
P6 本文クライマックス、あとがき上段・一番右(左開き時) 【180度回転・上下逆さま】
P7 P6の対向ページ、奥付(発行情報等)下段・一番右(左開き時) 正位置(上向き)
P8(裏表紙) 背表紙、ロゴ、定価、SNSアカウント下段・一番左(左開き時) 正位置(上向き)
※ 左開きの場合の対応表です。折りたたんだ際にP2-P3、P4-P5、P6-P7がそれぞれ見開きになります。

【絶対に失敗しない!プロが実践する裏ワザ】
パソコン(CanvaやWordなど)でデータを作る前に、 「まず真っ白なA4用紙を1枚手作業で折って豆本を1冊作る」 ことを強くおすすめします。完成した白紙の豆本を開きながら、鉛筆で「表紙」「1」「2」「3」……「裏表紙」とページ番号を書き込み、さらに上下の矢印「↑」をメモしてください。
その後、紙を完全に広げると、 「あなた専用の完璧な実物大面付けテンプレート」 が手元に残ります。この見本用紙を横に置きながらデジタルでレイアウトを組めば、配置や向きを間違える事故を100%防ぐことができます!

【本格派】コンビニコピー機で作る「中綴じ小冊子」の作り方

「8ページの折本も可愛いけれど、もっと写真や文章をたくさん載せて、 12ページ・16ページ・24ページくらいの本格的な薄い本 にしたい!」

そんなときに威力を発揮するのが、街のコンビニ(セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート)に設置されているマルチコピー機の 「小冊子プリント機能」 です。この機能を使えば、面倒な面付け計算を一切することなく、全ページが綺麗に順番通り並んだ両面印刷紙が出力されます。

セブンイレブン・ローソン・ファミマの「小冊子プリント機能」を活用する

コンビニのマルチコピー機には、PDF形式で作成した複数ページの原稿を自動的に本の形にレイアウトしてくれる専用モードが標準搭載されています。

  • セブン-イレブン(富士フイルムBI製): マルチコピー機メニューの「プリント」→「普通紙プリント」→「小冊子」を選択。USBメモリやスマホアプリ「netprint」「セブン‐イレブン マルチコピー」からPDFを送信してプリントします。
  • ローソン・ファミリーマート・ミニストップ(シャープ製): タッチパネルの「プリントサービス」→「PDFプリント」→印刷設定画面で「小冊子(右開き/左開き)」を選択。スマホアプリ「PrintSmash」やWi-Fi経由で簡単に印刷できます。
選択する用紙サイズ仕上がり冊子サイズ印刷形式総ページ数のルール
A4用紙を選択 A5サイズ冊子 (約148×210mm)A4用紙1枚の両面に4ページ分(2アップ両面)を自動面付け 必ず4の倍数 (8p, 12p, 16p, 20p, 24p)
A3用紙を選択 A4サイズ冊子 (約210×297mm)A3用紙1枚の両面に4ページ分(2アップ両面)を自動面付け 必ず4の倍数 (8p, 12p, 16p, 20p, 24p)
B4用紙を選択 B5サイズ冊子 (約182×257mm)B4用紙1枚の両面に4ページ分(2アップ両面)を自動面付け 必ず4の倍数 (8p, 12p, 16p, 20p, 24p)
※ 中綴じ製本の構造上、用紙を2つ折りにするため、全体の総ページ数は必ず「4の倍数」である必要があります。

原稿データの作り方は極めてシンプルで、 「表紙(1p)から裏表紙(最終p)まで、単ページ(1画面=1ページ)で並べた1本のPDFファイル」 を用意するだけです。コピー機が自動的に「どのページとどのページを同じ紙の裏表に印刷すべきか」を計算してくれるため、自力で面付け作業を行う必要がありません。

Canvaを使った詳しいページ設定やPDFの書き出し手順については、こちらの詳細解説記事 CanvaでZINEを作ろう!初心者向けレイアウト手順とおすすめテンプレート活用法 で画像付きで解説しています。

通常のホッチキスを180度開いて中綴じにする裏ワザ(または中綴じ用ホッチキス)

コンビニで両面印刷された紙を受け取ったら、真ん中で二つ折りにします。ここで直面するのが、 「手持ちの普通のホッチキスだと、アームの長さが足りず本の折り目(中央)まで届かない!」 という問題です。

しかし、専用の製本機を買わなくても、 自宅にある100均のホッチキスを工夫するだけ で誰でも簡単に中綴じができます!

【普通のホッチキスで中綴じにする180度開き裏ワザ手順】

  1. ホッチキスを180度パカッと開く: 一般的な10号針ホッチキスの多くは、上下のアームを限界まで引っ張ると180度フラットに開く構造(タッカー状態)になっています。
  2. 台座(クッション)を用意する: 机を傷つけないよう、机の上に 「大きめの消しゴム」「発泡スチロールの破片」「使い古しの段ボール数枚」 などを敷きます。
  3. 本の背表紙(外側)から針を打ち込む: 二つ折りにした冊子を開き、折り目のラインを消しゴムの上に合わせます。真上からホッチキスの先端を折り目に押し当て、垂直に体重をかけて「ガチャン」と押し込みます。針が紙を貫通し、下の消しゴムに軽く刺さります。
  4. 針の先端を内側に折り曲げる: 紙を持ち上げると、裏側(内側のページ)に2本の真っ直ぐな針が突き出ています。この針の先端を、定規の平らな角やハサミの背、スプーンの腹などを使って、 内側に向かってペタンと倒して押し込みます
  5. 上下2箇所を留めて完成: 天と地からそれぞれ20〜30mm程度内側の位置に合計2箇所針を打てば、市販のパンフレットのような美しい中綴じ冊子が完成します!

「何十部も手作業で針を曲げるのは大変」「もっと手早く美しく製本したい」という方には、以下のような 中綴じ専用の文具アイテム を導入するのもおすすめです。いずれも1,000円〜2,000円前後で購入できます。

  • マックス「ホッチくる(HD-10V)」: ホッチキスの先端(ヘッド部分)が90度および270度カチッと回転する人気文具。紙の端から横向きに挟み込めるため、A4用紙の中央折り目でもスムーズに中綴じできます。
  • マックス「ナカトジール(MC-8)」: 普段使っている家庭用ホッチキスを本体にセットするだけで、A3・A4用紙の中綴じを正確な位置決めガイド付きで行える専用ツール。
  • ロングアームホッチキス(長尺ホッチキス): アームの奥行きが30cm以上ある製本専用ホッチキス。同人誌制作や厚手の冊子を量産したいクリエイターの定番アイテムです。

豆ZINEをおしゃれに見せるアレンジテクニック

コンビニコピー機で作った豆ZINEや折本は、そのままでも手作りの温かみがありますが、 ひと手間アレンジを加えるだけで、まるで雑貨店やギャラリーに並ぶ「小さなアート作品」のような佇まい に生まれ変わります。誰でもすぐに真似できるおすすめのアレンジ術をご紹介します。

クラフト紙やカラーコピー用紙を使う

ZINEの印象をガラリと変える最も手軽な方法が、 「用紙を変えること」 です。真っ白な普通紙(コピー用紙)の代わりに、文具店や100円ショップで手に入る特殊紙を活用してみましょう。

  • 未晒クラフト紙(茶色い紙): コーヒーショップのメニューやレトロな旅日記、ヴィンテージ風の写真集に抜群の相性。黒1色のモノクロ印刷でも、味わい深いカフェ風のZINEに仕上がります。
  • 色上質紙(パステルカラー用紙): ペールブルー、ミントグリーン、クリーム、薄桜色などの淡いカラー用紙を使うと、詩集や短歌集、フェミニンなエッセイが一気に洗練されたトーンになります。
  • わら半紙(更紙): ざらっとした手触りと少しグレーがかった風合いが、昔の文芸誌やアングラなミニコミのようなノスタルジックな質感を演出します。

【注意点】: 大手コンビニのマルチコピー機は、紙詰まりや機器故障を防ぐため、原則として「持ち込み用紙への印刷」が禁止されています。特殊紙に印刷したい場合は、自宅のインクジェット/レーザープリンターを使用するか、キンコーズなどの用紙持ち込みに対応したセルフプリントショップを利用しましょう。

帯やシール、マスキングテープで装飾する

市販の単行本や文芸書についている 「本の帯(ブックオビ)」 を豆ZINEに巻いてみましょう。幅15〜20mm程度に細長く切った紙に、推薦コメントやキャッチコピーを小さく印刷して巻きつけるだけで、ミニチュア本としての完成度が劇的に跳ね上がります。

また、 トレーシングペーパー(半透明の紙) を表紙サイズに合わせてカットし、外側からフワッと重ねる「トレペカバー」も大人気のテクニックです。下のイラストや写真がうっすらと透けて見え、繊細で幻想的な世界観を表現できます。マスキングテープで背表紙をくるむように補強したり、裏表紙にオリジナルシールをワンポイントで貼るのもおすすめです。

手書きのシリアルナンバーやスタンプを押す

デジタル印刷で作ったZINEに、あえて 「1点モノのクラフト感」 をプラスする工夫です。奥付(最終ページ)や裏表紙に、ペンで手書きのシリアルナンバー(限定エディション番号)を書き込んでみましょう。

例: No. 03 / 50 (全50部中の3番)

たったこれだけの数字が入るだけで、読者にとって「世界にひとつだけの特別な本」という所有価値が生まれます。さらに、消しゴムはんこで自作したオリジナルロゴやスタンプ、エンボススタンプ(紙を凹凸に浮き上がらせる刻印)をポンと空押しするだけでも、高級感が格段にアップします。

まとめ:紙1枚から始まる、自分だけの小さな表現世界

「本を作る」というと、多くの人は数百ページの分厚い書籍や、印刷所で綺麗に製本された商業出版物を思い浮かべます。しかし、ZINEの原点であり最大の醍醐味は、 「自分の内側にある偏愛や視点を、もっとも身近な道具を使って自由に形にすること」 にあります。

A4用紙1枚とハサミがあれば、わずか数分であなただけの「8ページの小さな世界」が立ち上がります。日々の散歩で見つけた草花の写真、大好きな喫茶店のクリームソーダのスケッチ、深夜に書き留めた短いフレーズ、飼い猫の愛らしい仕草……どんなに個人的で些細なテーマでも、1冊の本に綴じられた瞬間に、それは誰かにとって愛おしい作品へと輝き始めます。

失敗しても、かかったコストは紙1枚の数十円だけ。難しく考えず、まずは手元の白紙を8つに折って、最初の一筆を描き出してみませんか?あなたの手から生まれる小さな豆ZINEとの出会いを、心から楽しみにしています!

【あわせて読みたい!ZINE作りの実践完全ガイド】

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